リウマチ患者は生活の質を高めるために投薬治療は欠かせないものとなる。投薬を続けていても、関節の破壊による体の痛みが続くケースも否めない。患者の年齢やその症状によっては体を動かすことを諦めるほか、引きこもりの原因となってしまうことがある。そのため看護師は、患者の活動を促すよう援助を行うことが求められる。ただし、関節の痛みや変形等による可動域の制約がある患者に関しては、リハビリなどが負担になりリウマチ疾患を悪化させる可能性がある。無理に行うことはせず、ゆっくり活動の範囲を広げられるよう指導することがセオリーとなる。
とある実例をあげると、患者は高齢で寛解状態が続いている。しかし長い年月リウマチと付き合っており、関節の痛みや可動域の制約があった。強い痛みは鎮痛剤で取り除き、リウマチの治療薬は継続することにした。これと並行して関節の拘縮を予防することと、体を動かさないことで低下した筋力の増強が必要とされている。しかし年齢や生活背景を見て、日常生活が不自由なく行える範囲でのリハビリが望ましいとされた。
看護師は適切な援助が行えるよう、患者の話に耳を傾けることを中心に行った。また、自宅で行える運動などを指導する。椅子に座ったままで負荷を体に大きくかけることなく筋力を強化できる静的抵抗運動を提案した。現在、数分間の動きを毎日継続できるように伝えている。しかしリウマチ患者の場合、マシンや介添えを利用した他動運動で筋力増強を行うと、痛みを強めたり、筋スパズム(筋痙縮)を起こすリスクもあるため注意したい。